あるようにあり、なるようになる

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サブタイトル
運命論の運命
出版社
講談社
出版年・月
2015年07月28日
カバー
共著者
形態
単行本
 
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プロローグ 概念を動かしてみる
第一部 論理からはみ出す現実性
第1章 神秘としての運命
第2章 解釈・因果・論理
第3章 排中律と現実
第4章 排中律と無
第5章 現実性は横溢する
第二部 現実の未来
第6章 アリストテレスの議論(1)
第7章 アリストテレスの議論(2)
第8章 運命論批判の失敗
第9章 運命論側の不完全さ
第10章 現実性と様相(1)
第11章 現実性と様相(2)
第三部 不可能な未来
第12章 マスター・アーギュメント(1)
第13章 マスター・アーギュメント(2)
第14章 マスター・アーギュメント(3)
第15章 二つの時間原理(1)
第16章 二つの時間原理(2)
第17章 過去の深さ
第四部 輻輳する現在
第18章 「海戦」版の議論(1)
第19章 「海戦」版の議論(2)
第20章 「オズモの物語」版の議論(1)
第21章 「オズモの物語」版の議論(2)
第五部 拮抗を生きる
第22章 「ロンドン空襲」の議論
第23章 「族長の踊り」と「遡及的な祈り」
第24章 反復する<中間>
第25章 運命論と自由
エピローグ 運命に乗る
・註・索引など
 

内容紹介

「すべては必然的に起こる」のだろうか?人間の運命を哲学する!アリストテレスからダメットまで、時間と論理の哲学世界を博捜し、新たな運命論の地平を切り開く快著!

目 次

第1部 論理からはみ出す現実性(神秘としての運命;解釈・因果・論理;排中律と現実;排中律と無;現実性は横溢する)
第2部 現実の未来(アリストテレスの議論;運命論批判の失敗;運命論側の不完全さ;現実性と様相)
第3部 不可能な未来(マスター・アーギュメント;二つの時間原理;過去の深さ)
第4部 輻輳する現在(「海戦」版の議論;「オズモの物語」版の議論)
第5部 拮抗を生きる(「ロンドン空襲」の議論;「族長の踊り」と「遡及的な祈り」;反復する“中間”;運命論と自由)

著者紹介

入不二基義 (イリフジモトヨシ)1958年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。現在、青山学院大学教育人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報・注記

世の中のすべては必然的に起こっていることなのだろうか?アリストテレスから現代哲学まで、運命論の議論を見直し、更新する野心作!
「すべてのことは必然的に起こっている」というのが、「運命論」の主張です。たとえば、すべては神のシナリオ通り、という考え方もあれば、過去から現在に至る因果関係ですべて未来はきまる、という主張もあり得ます。
古来、根強く支持されてきた思想といえます。アリストテレスはこれを論理的に批判しようとしましたし、彼と同時期のディオドロス・クロノスは擁護しようとしました。
現代哲学においても、リチャード・テイラーは支持派、マイケル・ダメットは批判派です。
たとえばテイラーには「オズモの物語」という議論があります。オズモはある日、図書館でこれまでの自分の人生を寸分違わず書いている本を見つけます。
結末は、3年後に飛行機事故で死亡、となっていました。オズモは、その空港だけはさけようとしますが……。
あるいは、ダメットなら「ロンドンの空襲」。
大戦時、ロンドンが空襲され、防空壕に逃げる。
そこで運命論者が言う。
「あなたは殺されるか殺されないかのどちらかだ。死ぬとしたら、予防策は無駄である。死なないとすれば、予防策は余計である。いま何をしようが未来には関係ない」
――ダメットによればこの話には、論理的な間違いがある……。
このように、さまざまな運命論の議論を哲学的に仔細に検討しつつ、著者は、これまでにない独自の運命論に到達しようとします。
それが、タイトルになった言葉「あるようにあり、なるようになる」です。
もう一言言えば、「運命に乗り、自由であること」。
因果関係や論理、可能・不可能といった様相、過去・現在・未来の構造を検討する時間論などなど、哲学の主要なテーマを自在に横断しつつ、著者がたどりついた地点とは?哲学する醍醐味に満ちた一冊を堪能してください。
 
プロローグ 概念を動かしてみる
第1部 論理からはみ出す現実性    神秘としての運命/排中律と現実/排中律と無
第2部 現実の未来   アリストテレスの議論/運命論批判の失敗/現実性と様相
第3部 不可能な未来   マスター・アーギュメント/二つの時間原理/過去の深さ
第4部 輻輳する現在   「海戦」版の議論/「オズモの物語」の議論
第5部 拮抗を生きる   「ロンドン空襲」
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