ウィトゲンシュタイン

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サブタイトル
「私」は消去できるか
出版社
NHK出版
出版年・月
2006年05月30日
カバー
共著者
形態
シリーズ・哲学のエッセンス
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内容紹介

「すべて」と「無」は一致する。私は強力で特異だからこそ、無と化していく。独我論から私的言語論まで、正反対のものが折り重なる不思議な世界に分け入る。

目 次

序章 不二の法門に入る―補助線として(この本のテーマ;正反対の一致 ほか)
第1章 独我論―「限界」としての「私」とは何か(『論理哲学論考』―自らを消し去るべき本;いわゆる独我論 ほか)
第2章 無主体論―独我と無我は一致する(いわゆる無主体論;ウィトゲンシュタインの無主体論 ほか)
第3章 私的言語論―「ない」ままで「あり」続ける「私」(私的言語とわれわれの言語;私的言語への接近とその不全 ほか)
 
 
序章  不二の法門に入る-補助線として
  • この本のテーマ
  • 正反対の一致
  • 不二の法門に入る
  • 維摩の沈黙
  • ことばと沈黙
  • さとりとおおぼけ
第1章 独我論 ―「限界」としての「私」とは何か
  • 1. 『論理哲学論考』―自らを消し去るべき本
    • 『論考』の全体像
    • 「独我論」の位置
  • 2. いわゆる独我論
    • 反転図形
    • 素朴な実在論といわゆる独我論
    • いわゆる独我論と『論考』の独我論
  • 3. 徹底された独我論
    • 二つの「私」
    • 第一の比喩―「私が見出した世界」という本
    • 第二の比喩―眼と視野
    • 「限界」という概念
    • 「私」の昇華
    • 「私」の解体
    • 独我論と実在論の一致
  • 4. 独我論は示されうるか
    • 語ること=写像すること
    • 「思考」の二重性
    • 独我論が示されるところ
    • 示されえない独我論
第2章 無主体論 ―独我と無我は一致する
  • 1. いわゆる無主体論
    • 非人称表現
    • 直接経験
    • デカルト的なエゴの消去
  • 2. ウィトゲンシュタインの無主体論
    • 独我論としての無主体論
    • 独我論と行動主義
    • 独我論の葛藤
    • 経験から文法へ
    • 言語内的な無主体論
  • 3.独我論と類比
    • 所有物・感覚・固有性
    • 類比的な移行
    • 独我と無我
第3章 私的言語論 ―「ない」ままで「あり」続ける「私」
  • 1. 私的言語とわれわれの言語
    • 私的言語の「定義」
    • われわれの一致
  • 2. 私的言語への接近とその不全
    • 表出なき「痛み」
    • 「感覚日記」
    • 「感覚日記」批判
    • 「感覚日記」批判の空転
    • 言語ゲームの無根拠性
  • 3. 私的言語は可能/不可能なのか
    • 私的言語のディレンマ
    • ディレンマの反復
    • 私的言語の消去と遍在
  • ウィトゲンシュタイン小伝
  • 読書案内
  • あとがき